最近の歌会に提出した歌より

花束のやうに抱へて会ひたさの葉脈さへ産毛さへあたためてしまふ

ゐてくれるだけでいいといふきみの声は夕日のやうに濃かつたけれど
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「まひる野」2016年7月号より


   信じる

飛行機はかたちくづれず飛ぶものを希望のごとくにしばしあふぎつ

曇り日のおほきな池にふとりたる鯉あまたをり水面(みなも)みださず

とほくから人を思つて泣くことの恥づかしき春はなも終はつて

逢ひたさを磨くやうなる雨であるCD返しに行く裏路地は

言ふべきを言はず言はざるべきを言ひおやすみを言ひ電話切りたる

信じる、といふ決心にこの午後を明るみていくこころさへあり